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飛行機雲とガン細胞

 

暮らしの中のヨガ哲学

銀座一丁目の桜もすっかりと花を落とし、青々とした葉を茂らせる今日この頃。

先日、先生の一人から「今年も三分の一が過ぎようとしています」という冒頭のメールを受け取り、思わず「えっ」と、その事実に改めて時の過ぎ行く早さに気づかされました。


考えてみますと、昨年秋から企画していた全国ツアーも札幌ワークショップを終え、まだ先の事のように感じていたことも、気づいてみれば過去のこと。少し意味合いは違いますが、諸行無常を改めて感じてしまっています。


その札幌に向かう機内でのこと、私は普段必ず通路側の席を予約するのですが、同機はかなりの空席があったため、本当に久しぶりに窓際に移動し、窓の空を眺めていました。

私が座っているほぼ最後尾の席から、さらに後方に目をやると、飛行機雲が生まれては凄い勢いで後方に吹き飛んでいくのを発見し、改めて飛行機というのは物凄い速さで飛んでいるんだなあ、なんてことに関心しつつ、額を窓にこすりつけて外を眺めていました。

そして、ふと視線を地上に戻すと、まだ雪を冠ったままの山々が遠くの方まで広がっていて、これはチャンスと思わずトラタクで見下ろし、眼球の上方の筋肉をストレッチしていたのですが、客室乗務員の方には間違いなく怪しい人として見られていたのかなと、この文章を書きつつ振り返っています。


高度1万メートルでのトラタク。


さておきまして、そんな美しい雪山を、不必要な白目で見下ろしながら眺めていますと、久しぶりに大自然を肌で感じると同時に、人という生き物の凄さといいますか貪欲さが、これまた肌にひしひしと伝わってくる思いでもありました。


普通に考えると多くの生物が生きてはいけないような雪山を、スキーという娯楽の場として開拓してみたり、おおよそ獣しか踏み入ることができないであろう所にまで細い道を刻んでみたり。湖だって夏になると泳いだり船で観光したり、空だって目のストレッチをやるような変な人を乗せながら鉄の塊が飛んでみたり。。


どこであろうと、何であろうと、それを楽しみに変えたり、意のままにアレンジしてみたり、その貪欲さとそれを成し遂げる根気強さに、改めて人の凄さに脱帽する思いでした。


でもそれは、そろそろ地球にとっても見過ごせないレベルにまで助長してしまっていることも事実。


人って地球のガン細胞だな。。。


よく言われることなのですが、改めてそう感じずにはいられませんでした。


ガン細胞は、通常の細胞よりも急激に分裂するため、多くの酸素と栄養分を無制限に消費します。ガン細胞にしてみれば、きっとそれが心地よくて、それを止めることができなくて、どんどん繁殖し続けて酸素と栄養分を独占し続けているんだと思います。


でも結果として母体が死んでしまうことで、ガン細胞も生きていくことができなくなる。


。。。。。


ヨーガでは、人が苦しむ原因が「煩悩」にあると教えます。

そして、その煩悩の原因は、自分でないものを自分だと思い込んでしまう「無知」にあると教えます。


私には、ガン細胞が、この無知を象徴しているように思えてなりません。


ガン細胞も恐らく、自然の摂理に従って繁殖しているに過ぎないとは思うのですが、人体の他の細胞と異なる点は、全体の中での己の役割を自覚していないということ。

己の欲望のままに増殖し続けるのか、それとも人体という全体の中で自分が必要とされている「分」をまっとうしようとするのか。


全体の中の一部であるという自覚が欠落していること。


それがヨーガスートラで言うところの「無知」だと私は思っています。

同時に、一概には言えませんが、一般的にガンになりやすい人は、免疫力が低下している人だと言われています。では、どんな人が免疫力の低下を引き起こしやすいか。

そこには、食事の問題や生活リズムの問題、ストレスや遺伝の問題など、様々な要素が関わってきますが、その多くを良好な状態へと導くのがヨーガ的な生活だとすれば、己の欲望の赴くまま、自分の意を押し通すような生き方をしているとガンになりやすいという言い方も。。。


勿論、様々な要素が関わっていることなので、決してそれだけが原因なんてことはありませんが、何か考えさせられる因果があるのも事実。


白目を向いていたかと思うと、おもむろにノートとペンを取り出し、徒然なるままにそんな感じのことをメモする私は、きっと怪しい人として。。。


それもさておきまして、どうか私たちが地球のガン細胞になりませんように。
そして、私たちの身体に、ガン細胞が増殖しませんように。


その二つの願いは、共にシンクロしているように思える今日この頃。。。


最後になりましたが、札幌ツアーは受講生の方々は本当に熱心で、私自身、本当に癒されて終えることができました。


この場をお借りしまして、ご参加いただいた方、アンケートに答えてくださった方、当日または実現に向けてお手伝いいただいた方に、深く深く感謝しつつ。


ありがとうございました!


それでは今から、ロータスWSに行ってきます


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